【第1講:5/14】 歓びの歌―志貴皇子の息吹き―
白鳳万葉時代に生きた志貴皇子の「石走る垂水の上のさわらびの萌え出づる春になりにけるかも」(巻8・一四一八)の歌を読んでみましょう。ご覧のように上句では助詞「の」を畳みこみ、下句では「さわらびの」以下、一気にうたい結ぶ力強さがあります。うたわれるのは春の躍動そのもので、たしかに「秀歌」というべきでしょう。ところで、この志貴皇子の感性が、はるかユーラシア大陸の西の端、北欧古代の人びとのそれと、しっかりつながっているといえば、いささか強弁に過ぎるでしょうか。志貴皇子の生涯にもふれながら、万葉の歌と心を明らかにしたいと思います。
【第2講:7/9】 清冽な水辺で―大伴旅人の松浦遊覧の歌―
天平時代初期、大宰帥(鎮西大宰府の長官)だった大伴旅人は、肥前国松浦郡(現在の佐賀県唐津市周辺)に小旅行をしています。その折の作である「松浦川に遊ぶ序」とそれに続く「松浦なる玉島川に鮎釣ると立たせる児らが家道知らずも」(巻5・八五六)ほかの連作を鑑賞します。どうやら旅人は、現地ルポとしてこれらの歌をうたったわけではなさそうです。あわせて『文選』をはじめとする海彼の作品も視野に入れて、当時の文人たちの間で流行っていた「河洛神女」の文学も味わいましょう。
※【第1講】と【第2講】ございますが、どちらかだけの受講も可能です。
講師:東 茂美 (福岡女学院大学 名誉教授・文学博士)
会場:福岡女学院大学 学内施設
所在地:福岡市南区曰佐3-42-1
交通手段:西鉄電車「井尻」下車、西鉄バス45番系統乗車「福岡女学院前」下車。JR鹿児島線「南福岡」下車、西鉄バス45番系統乗車「福岡女学院前」下車。
第1講:5/14
第2講:7/9
各水曜日 (シリーズ全4回)
13:30~15:00
※【第1講】【第2講】の1日だけの受講もお選びいただけます。1日だけ受講される場合は、お電話でその旨をお伝えいただくか、講座申込フォームの備考欄に希望の日程をご記入ください。
※【第3講】10/8、【第4講】12/10につきましては、受付開始が9月頃となります。
受講料:各2,000円(各講全1回) ※【第1講+第2講】4,000円
教材費:各200円 ※【第1講+第2講】400円
※1回(複数講座お申込可)のお申込みにつき事務手数料500円別途要
対象:一般
申込方法:HPお申し込みフォームまたは電話でお申し込みください。FAX・Eメールの方は、希望講座名・氏名・住所・電話番号を記して下記の問い合わせ先に申し込んでください。